ネットネット株は儲からない? 2022年私の保有銘柄の実績公開

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ネットネット株は儲からない?

株に投資をする際に、個別株への投資、特に日本の個別株への投資を検討する人は多いだろう。私もその一人だ。結局のところ個別株へ投資したはいいが、思ったほど成績が振るわず、結局インデックス投資にしておけばよかったね、という結果になることが多い。私の場合、ほぼインデックス投資にしておけばよかったと後悔することしきりであるが、理屈から考えると、ネットネット株はお得なのではないか、お買い得なのではないかと思ってしまう。

そして、ネットネット株が年初来安値で放置されているのを見ると、割安なうえにさらに株価が下がっているのだから、これは買わない手はないだろうと少し買ってしまう。そーしていつまでたっても手元に含み損を抱えたネットネット株がある、という結果になる。

ネットネット株は儲からないのか?私がネットネット株に投資をすると儲からない。しかし、かぶ1000氏のようなネットネット株を綿密に分析したうえで投資をし、大きな利益を上げている個人投資家もいる。

この記事ではネットネット株を掘り下げて、インデックス投資をするのと比べて投資成績が良いのか悪いのか、いくつかの銘柄を選んで比べてみた。さらに私の投資実績も公開することにした。「なーんだ、ネットネット株に投資しながらこんな成績なのか」と、あなたが優越感に浸ること請け合いである。

ネットネット株とは

ネットネット株については、記事「ネットネット株 実際に投資してみた【結果随時公表】」にて大まかに説明してある。大まかにいうと、アメリカのベンジャミン・グレアムという大学教授が提唱した割安株のことで、所有している資産に比べて著しく割安な株価がついている株のことだ。

グレアムさんの本「証券分析」は、難しい部分もあるが、私も読んでみてとても勉強になった。割安株についての本だからというわけではないが、アマゾンでは割安株ならぬ割安中古本も売っているのでぜひ一読することをお勧めする。

ネットネット株 割安株にも種類がある

株は大きく分けて、成長株(グロース型)と割安株(バリュー型)の2通りに分けるのが通例のようだ。

成長株というのは上場して間もないベンチャー企業のような会社だろうか。イケイケどんどんで業績を上げて、それにつられて株価も大きく上昇するような企業の銘柄だろう。上場したての頃の楽天やファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイなどをイメージするとわかりやすい。

では、割安株というのはどのような種類の株か?

割安株にはいくつかのカテゴリーがあって、3つにわけることができるそうだ。

割安株 資産割安株

まず、所有している資産に比べて著しく割安な株価がつけられている株。このうち一定の条件を満たして、資産割安株の中でもさらに割安な株がいわゆるネットネット株である。
ご紹介したグレアムさんは、この資産割安株の提唱者である。日本の個人投資家では、かぶ1000さんがこの手法で投資をして大成功を収めている。

割安株 収益割安株

収益割安株というのは、将来の収益に対して割安であると判断できる株のことだ。この収益割安株への投資で成功している投資家として、ウォーレンバフェットが挙げられる。バフェットさんはかつてはグレアムさんの愛弟子で、若いころはもっぱらネットネット株中心に取引をしていたらしい。バフェットさんの公認自伝として本「スノーボール」にそのあたりのことが詳しく書かれている。またバフェットは、毎年バークシャーハザウェイという自身が経営する会社の株主への手紙にも、往年のネットネット株投資のことが書かれている。この、バフェットさんの株主への手紙は、株式投資とビジネスについて鋭い洞察力を持った視点で書かれているので、こちらも一読をぜひおすすめする。ちなみにビル・ゲイツも「株主の手紙」をビジネスマンと投資家が絶対に読むべき本(というか冊子)と勧めている。

さて、この収益割安株の代表銘柄は何だろうか。バフェットさんが投資している銘柄がとりもなおさず収益割安株と言えるだろう。例えば、アメリカのアップルだろう。また、バフェットさんは日本の大手商社、三菱商事、三井物産、伊藤忠、住友商事にも投資している。これらが収益割安株の代表格といえるだろう。

成長割安株

成長株なのに、割安なのか? 割安成長株というのはいまいちわかりづらい。アメリカのフィリップフィッシャーという投資家が提唱したカテゴリーに属する株らしい。フィッシャーさんは、「株式投資で普通でない利益を得る」という本を書いており、バフェットも彼の信奉者らしい。前述の「株主への手紙」でもフィリップさんに言及し、バフェット自身は「20%がフィリップ、80%がグレアムでできている」そうだ。大きく成長している割に、株価はそこまで高くないよ、という銘柄がこのカテゴリーに当てはまると思う。「と思う」とあいまいなのは、じゃあ、どの銘柄が該当するのか、と言われると私にはよくわからないからだ。

ネットネット株 2020年現在ネットネット株に該当する銘柄

記事「ネットネット株 実際に投資してみた【結果随時公表】」で紹介した公式を使って算出したネットネット株は、以下のような銘柄になる。(2020年11月現在)

  • 3952 中央紙器
  • 3954 PAXXS(昭和パックス)
  • 4231 タイガーポリマー
  • 5184 ニチリン
  • 5262 日ヒューム
  • 5363 TYK(東京窯業)
  • 6462 リケン
  • 6623 愛知電機
  • 7021 ニッチツ
  • 8772 アサックス
  • 8881 日神グループHD
  • 9401 TBSHD
  • 9402 中日放送
  • 9404 日テレHD
  • 9409 テレビ朝日HD

ネットネット株は日本の株式市場に、約100銘柄前後ある。アメリカではネットネット株は1970年代にはほぼ枯渇し、以降ほとんどネットネット株がない状況が続いている。それに比べると、日本市場はネットネット株の宝庫、ネットネット株であふれているといってもよいだろう。
100銘柄の中から上記の銘柄を選んだのは、私が実際にこれらの銘柄に投資をしているからだ。いつの間にかネットネット株を15銘柄も保有していた。私なりに割安だと思って手に入れた銘柄だが、私が買った価格よりもさらに割安な価格で「売りたい人」が続出している。つまり私の買値は決して割安ではなく、買い手としては「よいカモ」であったようだ。「よいカモにされたよ、はっはっは」などと笑っていると、そのうち身ぐるみはがされてしまうので、本当はここらで本腰を入れなくちゃいけないのだが、どうやったら「本腰」を入れることができるのか、見当もつかない。

というわけで、とりあえず、私が保有しているネットネット株を、他の個別株やインデックスなどと比べてみたいと思う。

ネットネット株 実績公開

  • 9404 日テレHD

誰でも知っているテレビ番組を提供する会社である。規模の大きな会社なのに、ネットネット株なのだ。日本テレビがどんな番組を提供しているのかと、実は私はよく知らない。テレビを全く見ないからだ。私がテレビを見ないのが異常なわけではなく、世の中の人もテレビを見ない、テレビ離れが進んでいる。じゃあ、テレビを事業としている会社に投資しても仕方がないじゃないか。私もそう思う。記事「ネットネット株 実際に投資してみた【結果随時公表】」で紹介した通り、9%を超える含み損を抱えている。(2022年11月現在10%超えの含み損だ!)

日本テレビのテレビ事業が思わしくない、そして今後もテレビ離れが一層進むだろうと予測される中、なぜダメ事業を運営する会社に投資したかというと、日本テレビがネットネット株に該当するからに他ならない。日本テレビという会社は一応大きい会社だし、就活でも学生に人気があるし、社員には高い給料をポンと払ってしまうほど気前のいい会社だし、良さそうな会社ではあるのだ。それに会社自体は赤字ではなくてちゃんと利益を出している。

この会社、なぜネットネット株かというと、一等地に広大な土地を持っていたり、優良企業の株をごっそり握っているからだ。ティップネスというスポーツクラブを買収するなど積極的にテレビ以外への投資も行っている。一千億円もの投資枠を設定し、これからも新たな事業に積極投資する姿勢をみせている。こういうことができるのも、ごっそりと資金を新事業に投資できる分厚い純資産のおかげである。

日本テレビがネットネット株であるということは、投資家に全く見向きもされない、見放されているということになる。テレビ事業に暗雲が立ち込めているとはいえ、積極的に新規事業に投資をしているし、自己資本比率が7割超えと非常に安定した会社でもある。

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投資家に日本テレビが人気薄なのは、投資リターンが低いからだろう。投資リターンというとROEとかROAとか、難しいローマ字言葉がでてくるが、ROEは8%が一応の日本企業の目標値らしい。日本テレビのROEはというと、5.7%である。この数字だと、投資家は日本テレビに投資するよりもニトリに投資したほうがROEも高いし、結果投資利回りがいいはずだと考えるだろう。ゆえにたとえネットネット株であろうと、日本テレビを買ってくれる投資家がいない。

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ネットネット株投資家は、そこがチャンスと株を仕込むのだ。純資産が分厚く、さらに事業も赤字でなくちゃんと黒字を計上している。日本テレビの営業利益率は14%もあるのだ。他の製造業やサービス業の一流会社と比べても引けを取らない。投資をするチャンスである。私もそう思う。だから日本テレビの株を買った。

私が日本テレビを買った時点を起点にして、日本テレビと日経平均の株価の動向をグラフにすると下記の通りになる。なーんだ、割安だと思って日本テレビの株を買ったのに、結局日経平均とおなじではないの、という動きになっている。ネットネット株への投資では、一応今株価が割安かとか、ネットネット株としてどのくらい資産があるのか、などは調べる。しかし、現在のところ、分析やら売買のタイミングやらを無視して、インデックスに投資するのが一番だね、という私にとってはつらい結果になってしまっている。

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日本テレビを真っ先にご紹介したのは、私が保有するネットネット株の中で最大の含み損(率)だからだ。

と思ったら、もっと含み損を抱えた銘柄が現れた、なんてことになるかもしれない。週1程度の頻度で、私のネットネット株たちのダメダメぶりをご紹介していきたい。

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