S&P500インデックスファンドへの投資は円建てでも有効か検証

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ウォーレン・バフェットが推奨するS&P500 index fundへの投資

稀代の投資家であるwarren Buffett。彼はCEOを務めるバークシャーハザウェイ社を時価総額ランキングで世界で10指に入る大企業に育てた企業家でもある。投資利回り年率20%を何十年も続けてきた彼が一般の投資家へ進める投資方法は、気が抜けるほど単純なものだった。

多くの投資家に読まれているバークシャー・ハザウェイ社CEOバフェットが書く株主への手紙

Warren BuffettがHathaway社の株主へ向けた年1回の株主への手紙(Letters to shareholders)は、彼の投資のエッセンスが詰まっているとして、多くの投資家やビジネスマンから支持を得て読まれている。うれしいことに、その内容はウェブで公開されており、同社の株主でなくとも読むことができる。

遺産はS&P500で運用するよう指示するバフェット

毎年公開される株主への手紙だが、2013年の手紙で、バフェットは奥さんに残す自身の個人遺産の管理について、遺産管理者にS&P500へ投資するよう指示すると明らかにした。そして一般投資家もそうするのが資産管理として最上だとしている。以下該当箇所を引用してみよう。

My advice to the trustee could not be more simple: Put 10% of the cash in short-term government bonds and 90% in a very low-cost S&P 500 index fund. (I suggest Vanguard’s.) I believe the trust’s long-term results from this policy will be superior to those attained by most investors – whether pension funds, institutions or individuals – who employ high-fee managers.

抄訳

受託者に対する私のアドバイスは、現金の10%を短期国債に、90%を超低コストのS&P500インデックス・ファンドに投資する、というものです。(バンガードをお勧めします。)私は、この投資から得られる信託の長期的な成果は、年金基金、機関投資家、個人にかかわらず、高額報酬の運用者を雇用しているほとんどの投資家が得ている成果よりも優れていると信じています。

2013 Berkshare Hathaway Letters to investors

では、実際にパフォーマンスはどうなのか、実際のデータで見てみよう。下記のデータは2019年11月末日現在のデータになる。

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S&P500 index 米ドルベース(配当込み)パフォーマンス (2019.11月末現在)

30年という長期においても年率9.9%という驚異的に高いリターンを達成している。S&P500がまだ計算されていなかった昔に、S&P500にほぼ連動するNYダウ平均について、バフェットが株主への手紙の中で、「相当に手ごわい指標」と評した理由がわかる。

「でも私は日本に住んでいるから、日本円換算でもしっかりとリターンが確保できるのか、そこが知りたい。!」おっしゃるとおりで、私もそのあたりが気になる。長期になればドル円換算は気にする必要がないという本を読んだこともあるが、念のため検証しておきたい。下記が先ほどの表と同じ期間のデータを円ベースで表示したものになる。

S&P500 index 円ベース(配当込み)パフォーマンス (2019.11月末現在)

S6P500へ日本円で投資した場合も、ドルベースに負けず劣らず非常に高いパフォーマンスを示している。30年という長期にわたり年率9%のリターンがあれば、非常に満足できる投資といえる。

一応比較のために同期間のTOPIXのパフォーマンスも見てみよう。

TOPIX円ベース(配当込み)パフォーマンス (2019.11月末現在)

30年にわたり年率9%がもたらす複利効果は?

ここで私のような投資のしろうとが犯しがちな誤りは、年率9%なんてたいして良いパフォーマンスとは言えないんじゃないか、というものだ。個人投資家のブログを読むと年率30%などウォーレンバフェットを上回る成績を達成している「つわもの」もいるし、目利きのファンドマネジャーが運用するアクティブファンドにも年率20%などを達成している凄腕マネジャーも存在する。

しかし、大事なのは長期にわたりどれだけの平均リターンを得ることができるかということだ。バフェットの年率20%を超えるパフォーマンスを、個人投資家が30年も続けることができれば、当然世界有数の富豪バフェットを抜く大富豪になるだろう。バフェットを超える投資家が現れないのは、長期にわたり高リターンを達成することの難しさを意味している。

投資元金が1千万円あり、それを30年間預けるとどうなるか?年利9%で運用することができると、複利効果で、30年後には1億3268万円に育っている。放っておくだけで10倍以上になっている計算だ。

ウォーレン・バフェットのもう一つのお勧めは、自分自身に投資すること

血眼になって、毎日の株価の上下を気にし、会社四季報を読み漁り、株の短期売買のためにパソコンにかじりつくよりも、投資に関しては、できるだけ労力を省き年率9%を享受するほうが得策なのではないだろうか?

実はウォーレン・バフェットはこの点についても指摘している。

2017年の雑誌インタビューで彼は次のようにコメントしている。

“Ultimately, there’s one investment that supersedes all others: Invest in yourself,” Buffett says in a recent interview with Forbes. “Nobody can take away what you’ve got in yourself, and everybody has potential they haven’t used yet.”

抄訳 「最終的には、すべての投資に取って代わる1つの投資があります。」とバフェットは最近のForbesとのインタビューで語っている。「誰も自分の中にあるものを取り去ることはできないし、誰もがまだ使っていない潜在能力を持っています。」

https://www.cnbc.com/2017/10/04/warren-buffett-says-this-one-investment-supersedes-all-others.html

バフェット自身は、話すことが苦手だったらしく、100ドルの受講料を支払いデールカーネギーの話し方講座を受講したそうだ。彼の伝記本「スノーボール」にも、その投資は彼自身のビジネスキャリアを大きく向上させる最高の投資だったと書いてある。

少し話はずれるが、「バビロンの大富豪」という100年ほど前に書かれたベストセラー本がある。この本の中で、大富豪は成功する秘訣について、次のようにまとめている。

  • 自分の仕事のスキルを高めること
  • 収入>支出の生活を営むこと
  • 余剰資金を投資すること

バフェットが勧めるビジネスで成功する方法というのも、バビロンの大富豪に似ているのだろう。

  • 自分自身へ投資しろ
  • S&P500へ投資しろ
  • レバレッジと酒は慎め

それでは、私も手数料の安いS&P500 index fund を積み立てていくことにしようか。

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