アメリカに住んでいたころは、空気清浄機は必要なかった。住んでいたマンションは快適で、空気がくすんでいるなどと考えたこともなかった。しかし、東京、それも都心に引っ越してきて、騒音、そして空気の汚さを実感する羽目になった。本当に空気は汚いようだ。2日掃除をさぼると、窓の下のレールの部分にうっすらとホコリが見えるようになる。子供の頃、東京に住んでいて、光化学スモッグで目が痛いなんて日常茶飯事だったが、今も東京の環境はそれほど改善されていないのかもしれない。
空気清浄機もメンテナンスが必要だ。しっかりメンテナンスをすることで、私の10年前のシャープ製加湿空気清浄機は、今も部屋の空気を浄化してくれる。この記事でお伝えするのは次の通り。
- 10年間休まず空気清浄機を稼働させるコツは、メンテナンス
- メンテナンスが必要な部品と掃除の仕方
- 定期的に買い替えたほうがよい消耗品
- 10年空気清浄機を使うコストは、3年ごとに買い替えるコストより約37%もお得
シャープ加湿空気清浄機は10年選手でも現役バリバリ
そんなこんなで、我が家には10年選手の加湿空気洗浄機がある。 10年間使い続けているが、1日24時間休む間もなく働いてくれている。10年間で3650日、8万7600日だ。
前述したように、我が家の住まいにはホコリが漂っているようなので、もちろん空気洗浄機もメンテナンスが必要になる。毎日加湿機能のために水を補給するほかに、メンテナンスもしっかり行っている。
長期で快適に使うポイント:2週間に一度のメンテナンス
空気清浄機のメンテナンスは、慣れないと結構面倒だ。白状すれば私も清浄機を使い始めたころは、全くメンテナンスなどしなかった。大体今どきの家電でメンテナンスを必要とする機器があるとは思わなかった。しかし、空気清浄機はメンテナンスをしないと都合が悪い。
何しろ、メンテナンスをさぼっていると、それがわが身に跳ね返ってくるのだ。そう、清浄機のはずが、ホコリ臭い空気を吐き出すようになる。これじゃあ、清浄器などないほうがましである。
そこで、仕方がなく、空気清浄機のメンテナンスをするようになった。最初は億劫だったメンテナンスの作業に慣れてしまうと、少しの時間で一通りの作業を終了できる。清浄機は元通りきれいになり、吐き出す空気も新鮮な空気に入れ替わる。今では2週間に一度のメンテナンスが習慣になっている。
メンテナンスで行うのは、次の作業だ。
加湿フィルターの手入れ
加湿フィルターの手入れは、加湿するときの匂いに影響がある。この掃除を怠ると、途端に清浄機から吐き出される空気が匂うようになるから注意が必要だ。
フィルターの手入れはキッチン用洗剤を使って行う。バケツやシンクに水を貯めておいて、そこにキッチン用洗剤を適当に注入する。水ではなく、ぬるま湯くらいのほうが、汚れ落としにはよいようだ。30分ほどそのまま水に浸けておいて、よく水洗いをすれば作業完了。この部分はどうぜ水分を吸い上げて濡れる部分でもあるので、乾燥は必要ない。
シャープのメンテナンスの指示書によると、キッチン用洗剤は粉末を使うように書いてあるが、私は液体の洗剤を使っている。通常液体の洗剤しか持ってないのでそれで代用しているのだが、全く問題なく汚れ、匂いが落ちる。
水受け皿の手入れ
加湿器の部分の手入れで念を要するのが、こちらの水受け皿の手入れだ。この部分は給水ボトルから落ちてくる水が一時的にたまる箇所で、水道水のカルキの影響なのか、2週間放置しているだけで、ぬめりがでる。このぬめりがなかなか取れにくい。
洗浄方法として、私はこの部分を使い古した歯ブラシを使って、ゴシゴシこすり、ぬめりを取るようにしている。ぬめりが取れれば完了だ。
機器背部のパネルの手入れ
機器背部のパネルには、吸い込まれていくホコリがどんどんたまっていく。網目状になっている網目にホコリがぎっしりと詰まっていくので、これをきれいに取り除く。
メンテナンスを始めて初めの頃は、掃除機をこのパネルに当てて、吸い取るようにしていたが、それでもなかなか細かいホコリまでは取れない。
そこで、今ではこの部分を前述の古歯ブラシで、ホコリを取り去り、その後シャワーで細かいホコリを洗い流している。そのまま自然乾燥させて、すっかり乾燥したら作業完了だ。
洗える集塵フィルターの手入れ
機器の内部に入っている洗える集塵フィルターは、その名の通り「洗える」。
といっても2週間に1度のメンテナンスではわざわざ洗う必要はない。このフィルターに掃除機を当てて、掃除機のスイッチを「強」の状態で、フィルターの裏表まんべんなく、2,3分かけてホコリを吸い取る。これでおしまい。
洗わなくていいの? 洗えるフィルターなのに、とお思いだろうが、今までの経験から洗うのは2,3か月に一度で十分だ。あまり洗いすぎると、フニャフニャになってしまうのが早まり、買い替えの頻度が高くなってしまう。
2,3か月に一度洗うときは、使ったお茶の葉っぱを、フィルターに刷り込むようにする。そのまま30分ほど放置して、その後、水またはぬるま湯の入ったバケツかシンクにさらに30分ほど浸けておく。乾燥させたら作業完了だ。
集塵フィルターの手入れ
この集塵フィルターは、シャープの取扱説明書によると、10年交換不要と書いてある。清浄機を買った当初、「10年も同じ製品を使い続ける奴なんていないだろう。」と思っていたが、自分が10年間同じ製品を使うやつだった。シャープさん、ありがとう。集塵フィルターは本当に10年間長持ちしました。見た目はボロボロですけどね。
というわけで、その集塵フィルターのメンテナンスはいたって簡単である。背面の側だけに掃除を当てて、掃除機を「強」にしてグーっとホコリを吸い上げるだけだ。集塵フィルターの前面側はいじらないように、取説にかいてあるので、そちら側は掃除機を当てないようにしている。
2年に1回買い替えるべき消耗品
上記のようにメンテナンスをしておけば、空気清浄機から排出される空気は、購入当時の新品の清浄機と変わらないきれいな空気になる。とはいっても、メンテナンスをしても、部品は痛む。
今までの経験から、下記の部品については、定期的に買い替えている。買い替えの頻度は2年に1度にしている。
加湿フィルター
加湿フィルターは水道水を吸い込むせいで、どうしても変色し、さらにカルキの成分のせいか、柔らかかった部分が、固まってしまう。そのため、2年に1度は買い替える。
洗える脱臭フィルター
私がこの記事で書いている機種のフィルターは、一昔前のタイプの脱臭フィルターを使っている。今のフィルターは活性炭が蜂の巣のように組み込まれているタイプのフィルターだ。
一昔前のタイプ、つまりこの記事で紹介している機種で使う脱臭フィルターはメンテナンスをしているうちに、特に洗う頻度によって、だんだんとヘナヘナとしてくる。長らく乗っている車の座席のようなへたりといえば似ているだろうか。
多分脱臭効果も時の経過とともに弱まっていると思われるので、こちらも2年に一度買い替えている。
10年間使い続ける vs 3年ごとに新品に買い替える コスト比較
同じ加湿空気清浄機を10年使うのと、新しい機種にその都度、例えば3年おきくらいで買い替えるのとではどちらがよいのだろうか?
10年間使い続けるメリット
10年同じ空気清浄機を使うことのメリットは「環境にやさしい」「財布にやさしい」の2点だろう。
環境にやさしい
ご存じのように加湿空気清浄機の本体は結構大きい。これを3年ごとに買い替えるのは明らかにエコロジーに反するだろう。またせっかくシャープがメンテナンスの方法や消耗品の販売をしているのだから、その戦略に乗っかって、せっせとメンテナンスするほうが気分もいい。
財布にやさしい
メンテナンスと買い替えではそれほどコストは変わらないのでは?念のため、どのくらいコスト差があるのか、おおざっぱに調べてみた。
新品の加湿空気清浄機 シャープ KC-H50 16,000円
消耗品購入費 2年に1度 加湿フィルター2,100円 脱臭フィルター 3,600円
10年に1度 集塵フィルター 3,600円
10年間合計 本体+加湿フィルターx4 + 脱臭フィルター x4 + 集塵フィルター x 0* = 38,800円
*10年目に買い替えるため、集塵フィルターの期間中の交換は0回
1年あたりコスト3,880円
新品の加湿空気清浄機 シャープ KC-H50 16,000円
3年で買い替え=16,000円/3年= 5,333円/年
計算してみると、メンテナンス 3,880円/年、3年買い替え 5,333円となった。
やはり、10年間使い続けたほうが37%程度割安になる。
新品に買い替えるメリット
新しい機能
新品に3年ごとに買い替えるメリットとしては、新しい機種なので、新しい機能が使えるという期待があるだろう。実際、脱臭フィルターはここ数年はシャープの製品では活性炭タイプのフィルターが主流で、私は両方利用してみて、断然活性炭タイプのほうがよいと思っている。空気清浄機といえども日夜進化しているのだ。
まとめ
- 加湿空気清浄機はメンテナンスすれば10年間使える。
- メンテナンスは2週間に1度、慣れればそれほど手間ではない。
- 消耗品は2年に1度買い替える。
- 10年間使い続ける場合の年間コストは3,880円、3年ごとに新品に買い替える場合は年間コスト5,333円。